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執筆者の写真atelierPOPO

2021ジャパンケーキショー東京


みなさん、こんにちは


10月12日~14日東京浅草にある東京都立産業貿易センターにて国内最大の洋菓子コンテスト大会『2021ジャパンケーキショー東京』が開催されました。


私もマジパン仕上げデコレーションケーキ部門に出品して参りまして、

無事金賞を頂くことが出来ました。とっても嬉しいです。


今回制作した作品はこちら




今年も楽しく制作することが出来ました。


簡単にではありますが、こだわりのポイントや制作の過程について書いていきたいと思います。

私自身、完成品よりもパーツごとの写真を見るのが好きだったりするので、

みなさんにも楽しんで頂けると嬉しいです。




【デザインについて】


制作前の大まかなデザイン

いつも大抵デザイン通りにはなりません。笑


白いチューリップは個人的に大好きなお花なのですが、花言葉があまり良い印象ではなかったため、なんとなくやめてしまいました。



今回は『人形』と『土台』にスポットを当て、シンプルながら作り込んだ作品を目指し制作しました。

見てほしいものとそれを彩る最小限のパーツのみの構成になっております。


ちなみに当初テーマは決めていなかったのですが、作っていくうちに『読書』になりました!笑



2018年に人形がメインの作品を作ったことがあるのですが、自分の中では追及しきれていない未完成の作品で、

特に顔に関してはもっとリアルに可愛く出来たはず、、と出品後もずっともやもやしていました。

いつかブラッシュアップしてきちんと自分の納得できるものを作りたいと考えていて、

今回はその時の自分に対してのリベンジ作品になっています。




【各パーツについて】


まず主役である女の子の人形ですが、

顔に関しては今回試作(それぞれのパーツの付け方を考える)と練習(スティックの動かし方や、自然な表情・可愛くなるようバランスの調整)を重ね、5日間ほどかけて計20個ちょっと制作をしました。

初めの方に作ったものはとてもお見せできないものばかりで、作っている自分でも恐怖を感じました。笑

▲本番用に使用した顔です。

1つ作るのに大体1時間弱かかっています。



身体はほとんど隠れてしまうのですが、洋服を着せた際に自然に女性らしいシルエットが出るよう作り込んでいます。

ドールやフィギュアの骨格を観察してお勉強しました。

なめらかに、しなやかに



洋服は当初ワンピースにエプロンドレスの王道スタイルで考えていましたが、

せっかく時間をかけて作ったストライプ柄と、体に沿ったワンピースのシワが隠れてしまうため、つなぎ目を隠す為の腰ベルトと編みレースの襟のみを付けることにしました。

細いストライプ、意外と大変なんですよね…!


ブーツも細かく再現しています。


編みレースの襟は初めて作ってみたのですが進めていくうちにだんだんそれっぽくなっていき、最終的に可愛く仕上がり心が躍りました。



洋服のパーツに関して、気づくか気づかないかレベルの差ではありますが

それぞれの質感も意識して制作していて、


ブーツ →ツルツルのレザー感

ベルト →ぼこぼこしたレザー感

レース →糸のマット感、ザラザラ感


を、こっそり表現してみました。



髪の毛は結った髪をどれだけ自然に表現できるかを考え、三つ編みの写真をよく観察して制作しています。


最後にふわっと浮かせた毛を数本付けているのがポイントです。(会場の湿気で搬出のときにはペタッとなっていました)



テディベアちゃんはタオル生地の編み方から着想を得ています。

最初は全然意識していなかったのですが、編みぐるみだね!といろんな方に仰って頂いて、確かに!と思い、それからは自分から編みぐるみなんです!と説明しています。笑



そして今回のもう一つの主役、『土台』

土台は吹き付け以外の柄付きの土台を見たことが無かったので、

チャレンジしてみよう!と思いあれこれやってみて計4台試作をしました。

土台の試作はかなり体力と精神力を使いました。本当に大変でした。

微妙になのですが、実は白とベージュのストライプになっています。


柄の付け方はご要望があれば今後講習会等の機会にでお伝えできればと思っておりますので詳しくは割愛させて頂きます。


初めての試みだったので審査員に受け入れられるか心配だったのですが、

無事入賞出来たので挑戦してみてよかったです。


サイドの飾りは土台が隠れすぎないようなるべくシンプルにしています。

(搬入前日の冷静じゃない私はやっぱり物足りないかな!?と何か付け足そうか悩んでいましたが、師匠と姉弟子が止めて下さいました。相談してよかったです…笑)

▲シンプルですがサイズを揃えた小さなぷちぷちを並べたり、木目調の帯は1枚付けでトンネルのような付け方にしてみたり、経験者の方ですと「大変だったね!」ときっと気づいてくれるような仕様になっています。笑



パイピングはアンティークな装飾をイメージして、キャラメルチョコチップに牛乳を加え、黄4号の色粉で色味を調整したガナッシュで施しています。

今見ると、もう少し線を増やして派手にしても良かったかな、、とも思います。




毎度、もっとここはこうすればよかったな~と反省点が無限に湧き上がってくるのですが、

今回新たに挑戦したことに関してはなんとか形にすることが出来ましたし、全体的なデザインも自分好みに仕上げることが出来たので満足です…!



昨年はコロナウイルスの影響で大会自体中止になり、今年ももしかすると無いのかなぁ~と思いながらのんびりしていたところ搬入日の約1カ月前に開催が決定。

慌てて仕事のスケジュールを組み直し、残り3週間でデザイン考案、試作、本番用という過去最短スパンでの制作になりました。

なんとか間に合って本当によかったです。


今回も自分にとって新しい技術を開拓することが出来て、また少し成長することが出来たかなと思っています。


プレートを無くしてみたりパーツが極端に少なかったりと今までのスタンダードな形からかなり外れた作品になったため、今年も入賞は難しいだろうなと考えていましたが無事に入賞することが出来てほっとしました。


そしてなんとなんと!!!プレオンラインレッスンを受講して下さった生徒さんと実技講習会にご参加頂いた生徒さんが、今大会で見事受賞されました!!嬉しすぎます!!!

会場でお会いした際にはすごく感謝して頂いたのですが、私が講習でお伝えしたことは本当に自分が大切にしている基礎と一部の技術ですので、それを上手く活用してくださったり新たな表現方法を見つけて審査員の心を動かすことが出来たのは本当に個人の努力の結果です!生徒さんの努力が報われて本当に本当に良かったです…!


ただ受賞が全てでは無く、最後まで諦めないで誠心誠意1台作り上げたことに一番の意味があると思っています。私自身も結果にとらわれず、今回の経験を糧にまた新たな技術を磨いて参ります。


いつも応援してくださる皆さん、会場でお声がけくださった皆さん、

またSNSにてたくさんのお祝いメッセージを本当に本当にありがとうございました!


atelier POPO フジシマエリ

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