2022.04.27~04.30に、細工菓子団体 DECORE(デコレ)による初の作品展示会が開催されました。
ご来場いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
この展示会ではメンバー各々が得意とするお菓子の素材を使用し、自由に世界観を表現したアート作品を展示しました。
コンテスト以外で時間をかけて大きな一つの作品を作り上げるという経験は今回が初めてで、
規定に縛られずとにかく自分の好きなものを詰め込んだ作品になりました。
今回の展示会テーマは「春」
私は「雪溶け」というタイトルで作品を作りました。
溶けかけた雪の中に凛とまっすぐ咲き誇るスノードロップの花と、
冬があけて森に住む小人たちが暖かい春を感じている様子を表現しています。
私の住んでいる北海道には自然と触れ合える場所がたくさんあって、小さな頃から植物や水、虫、動物などを見て感じて過ごしてきました。
そんな私にとって大切な存在である「自然」を感じられる作品にしようと思い制作しました。
今回の作品の構成として
北海道から東京の会場への運搬を考慮し、二つに分けて制作しています。
会場で作品を配置したあと、洗濯物を干しているタコ糸で二つの作品をやさしく繋ぎ一つの大きな作品として展示しました。
今回の作品の大部分を占める木
木の表皮には4色のマジパンを使用しスティックや指でざらざらした質感を表現しています。
苔は自生して見えるよう先端の方から少しずつ乗せています。
土はマジパンを何色かブレンドしたものを細かく粉砕したり、別に作っておいた砂利を混ぜたりしています。
スノードロップは緑の面積が多いので単調な印象にならないよう、所々グラデーションを用いています。密集して咲くお花なのでとにかくたくさん作りました。
川、溶けかけた雪、水滴にはパラチニットを使用しました。
水滴があることで土や植物が生き生きし、より自然の生命力を感じる作品になったと思います。
川の中の小石たちはシュガーペーストで。
試作時マジパンで作ったものにパラチニットを流したところ変色したり部分的に熱で溶けてしまったりしました。
シュガーペーストで作ったものをしっかり乾燥させ川の下に透けて見えるよう配置しています。
人形たち。
マジパン細工を始めた頃は人形作りが一番苦手でしたが、自分好みの子供の顔をデフォルメして細工に落とし込めるよう何度も何度も試行錯誤し、現在のお顔に落ち着きました。今ではスムーズに楽しく作れるようになり、複雑な表情やバリエーションに対応できるようその都度新たな表現方法を研究しています。
今回の作品作りには試作を含め約3カ月の製作期間を要しました。
今までコンテストで培ってきた技術をベースに、
規定にとらわれないデザインと新しい素材を用いることによって自分の世界観をより明確に表現できた作品になったと思います。
私が参加してきたコンテストでは原則マジパンペースト以外使えないため、透明なものを再現できず時々もどかしい思いをしていました。
コンテストでは規定があるからこそその中でどこまで出来るか探求することの楽しさがありますが、
今回規定から解放され作品に新しい素材を取り入れた経験をきっかけに、自分の中にある表現の幅がぐんと広がった気がします。
DECOREのメンバーにパラチニットの細工としての扱い方や必要な道具を教えてもらったり、アドバイスをもらうことが出来て本当に感謝しています!改めて素晴らしい環境にいることを実感。
会場でも、パティシエの方、細工をされている方、他業種の方、、と色んなお客様から直接感想頂けたり交流することが出来て、とても新鮮で刺激をもらいました。
皆さんに感謝です。ありがとうございます。
今後も見る人が笑顔になる作品作りを心掛け、励んでまいります。
引き続きDECOREの活動にもどうぞご注目ください。
atelier POPO
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